B787型機、運航停止 ANAとJAL長期化すれば収益低下も

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   電気系統の不具合や燃料漏れのトラブルが続いているボーイング787型機が、「安全性が立証されるまで」運航停止となった。2013年1月17日、国土交通省が全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)に対して命令した。

   世界でいち早く、また多くを導入してきたANAとJALは、国内線・国際線の運航見合わせや機材変更と対応に追われるが、運航停止が長期化すれば、経営への影響は必至だ。

B787は「ゲームチェンジャー」

トラブル続きで運航停止となったB787型機(写真はイメージ)
トラブル続きで運航停止となったB787型機(写真はイメージ)

   B787は、機体にカーボン素材を採用した最新鋭機で、機体のサイズが比較的小さい中型機ではあるが、飛行距離は大型機(B777型機)並みに長い。たとえば、B767では米西海岸までが精一杯だが、B787ならば米東海岸まで直行便が飛ばせる。

   しかも、燃費効率はB767に比べて約2割改善。そのため、B787であれば利益が出るとして、ANAやJALは従来採算があわなかった海外の地方都市などへ積極的に路線を開設してきた。たとえば、ANAの米シアトル便や米サンノゼ便、JALの米ボストン便や米サンディエゴ便などがそれ。B787が「ゲームチェンジャー」(業界の枠組みを変える存在)とも呼ばれる所以だ。

   また、最新鋭機という物珍しさも手伝って、利用客の増加にもつながっている。その分、航空会社にとっては収益力の向上が見込め、文字どおり「待ちに待った飛行機」(JALの植木義晴社長)だったわけだ。

   ボーイング社によると、B787を受注する航空会社の上位5社(確定発注ベース)は、インターナショナル・リース・ファイナンス社、ANA、ユナイテッド航空、JAL、アメリカン航空で、世界で運航されるB787のうち、約半数を日本の航空2社が使用している。

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