B787で発火したリチウムイオン電池 トヨタはHV搭載に慎重だった

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ニッカド電池に比べて半分のスペースで済む

   787では、777型機のような従来の機体では油圧や空気圧で動かしてきた機器の多くを電気で動かすため、電力の使用量が大幅に増加している。このことを背景に、従来機ではニッケルカドミウム(ニッカド)電池を採用してきたが、787では民間航空機としては初めてリチウムイオン電池を採用した。このリチウムイオン電池を製造したのは、日本のジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ、京都市)。GSユアサ社は05年の段階で仏タレス社を通じて787向けにリチウムイオン電池を供給することが決まっていた。

   当時のGSユアサの発表では、(1)ニッカド電池に比べてエネルギー密度が2倍あり、同じ寸法であれば2倍の電力を供給できる(2)75分間で90%充電が可能(3)管理装置を搭載し、二重の安全性を保証している(4)角形密閉(メンテナンスフリー)構造で航空機の通常の使用環境よりもはるかに厳しい環境にも耐える設計となっている、といった点をアピール。まさに「小さいスペースで多くの電力が供給できる」という点が787の特性とマッチした形だ。

   だが、リチウムイオン電池には、材料として使われている有機溶媒に発火性があるという問題点が指摘されてきた。

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