B787で発火したリチウムイオン電池 トヨタはHV搭載に慎重だった

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   最新鋭中型旅客機のボーイング787型機のバッテリーから発火する事故が相次いでいる問題で、2013年1月16日(米国時間)、米国連邦航空局(FAA)がバッテリーシステムの改修が完了するまでB787型機の運航を禁止する緊急耐空性改善命令(AD)を出した。これを受け、日本の国土交通省も1月17日に日本航空(JAL)と全日空(ANA)に対して同様の指示をした。

   787のバッテリーは、民間航空機としては初めてリチウムイオン電池を採用している。リチウムイオン電池は発火性の高い材料を使っているため、自動車業界では導入に慎重な姿勢も出ていた。

FAAの運航禁止指示は34年ぶり

米ボストン空港でトラブルを起こしたJAL機に搭載されていたリチウムイオン電池。黒く焼損していることがわかる(米国家運輸安全委員会、NTSBウェブサイトから)
米ボストン空港でトラブルを起こしたJAL機に搭載されていたリチウムイオン電池。黒く焼損していることがわかる(米国家運輸安全委員会、NTSBウェブサイトから)

   FAAがこうした形で運航禁止の指示を出すのは1979年のDC-10型機以来約34年ぶり。

   DC-10に対する指示は、米アメリカン航空機が米シカゴ・オヘア国際空港を離陸直後にエンジンが脱落して墜落し、乗員・乗客271名と地上にいた2名が死亡した事故を受けてのもの。この時は、エンジンと主翼をつなぐパイロンと呼ばれる部分の不具合が原因だったが、今回の指示はバッテリーの不具合に関するものだ。ADでは、バッテリーの不具合が解消されない場合、「基幹システムや構造にダメージを与え、電気機器室で火災が起こる可能性もある」と警告している。発火の原因は、現時点でも調査中だ。

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