「iPad mini」人気を上回るグーグル「ネクサス7」
タブレット型端末で独壇場だったiPadも、今では強力なライバルたちに脅かされている。国内市場を見ると、調査会社BCNが1月16日に発表した全国家電量販店の2012年12月のタブレット型端末販売台数シェアで、グーグルの「ネクサス7」を共同開発した台湾メーカー、ASUS(エイスース)が44.4%となり、40.1%だったアップルを抜いて初めて首位に立ったのだ。
ネクサス7の好調要因についてBCNのアナリストに取材すると、容量が16ギガバイトのモデルが2万円を切る価格の競争力の高さを挙げた。アップルも従来機より小型サイズの「iPad mini」を市場に投入しており、「実際はiPad全体での販売実数は上がっている」とアナリストは明かすが、エイスースがそのペースを上回って首位交代が起きたようだ。
BCNの調査では、携帯電話会社や直営店を通じての販売数が反映されていない。また、ネット通販や一部販売店で扱われているアマゾンの「キンドルファイア」も対象から外れている。このため、純粋にエイスースがアップルを追い抜いたとは言い切れないかもしれないが、これまでも同じ条件下での調査でアップルが独走していたことを考えると、今回の逆転劇は「iPad時代」に一定のブレーキがかかったとも言えそうだ。
台湾のIT系メディア「デジタイムズ」は1月15日、2013年のタブレット型端末の世界販売見通しについて、「9~11インチ版はiPadが最大シェアを守るが、7インチ版ではアンドロイド搭載モデルが拡大する」と報じた。BCNのアナリストは、「12月はエイスースがアップルを抜いて首位に立ちましたが、単純に『アップル低落』とは言い切れません」と説明する。そのうえでiPad miniを例にとり、「現行モデルには、高精細の液晶画面が採用されませんでした。今年発表される新型機がどうなるか、注目する必要があります」と話した。