「タレントが出てきてキャーキャー言っているだけ」という番組が目立つ日本のテレビにタレントの杏野はるなさん(24)がブログで疑問を呈した。
日本のテレビを「離乳食」にたとえ、赤ちゃん仕様では視聴者が低レベルのまま成長しないと批判を展開している。ネットでは、「いいこといってる」などと賛同する意見が相次いだ。
動物を見せたいのか、タレントを売りたいのか
「日本はドキュメンタリーとバラエティの差がなさすぎる」――杏野さんは2013年1月16日のブログでこうこぼした。動物番組と銘打っていても、「タレントが出てきてキャーキャー言っている」だけ。「本当にタレントってそこに必要?動物を映したいの?タレントを映したいの?」「動物をフィルターにしてタレントを売りたい?」と疑問を感じるそうだ。
一方、杏野さんが「動物番組の世界最高峰」というナショナルジオグラフィックやアニマルプラネットには、タレントは出ないし、進行役は1人。だが、美しい映像とシンプルなナレーションだけで内容のよさが十分に伝わるという。
そして、2013年1月13日放送のNHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」に触れ、海外では「日常的なレベル」の同番組がこんなに話題になったことで、日本の「通常の地上波がいかにレベルが低いか見えてしまった」と書いた。ただ、今回のNHKスペシャルは学術的な価値に重点をおいており、「日常的なレベル」という言葉には異を唱える人も少なくない。
日本の地上波の番組の質の低さについては、批評家の東浩紀さんが「いいこといってる」とツイッターで賛意を示したほか、ネットでも「その通り」と同意する声が相次いだ。
反響を受け、杏野さんは17日にもブログを更新。今の地上波番組を赤ちゃん向けに限界まで食べやすくした「離乳食」にたとえ、食べていては成長が遅れてしまうしそもそも大人用でもない、と更なる批判を展開した。
「今の日本のテレビは、これでもか!っていうくらい視聴者に親切なのです。もうわかったよ、というものもわざわざ物撮りしてテロップ、ナレーションまで入れる。コマーシャル開けに、また数分戻ったような内容をくり返す。実に、赤ちゃん仕様なのです」
「いつまでもこんなに甘い子供向けの内容ばかりやっていては視聴者のレベルも上がりません」