北アフリカのアルジェリアで発生したイスラム系武装集団による人質事件をめぐり、現場駐在員が拘束されたプラント大手の日揮は2013年1月17日、「日本政府などと協調して、救出に全力を挙げて取り組んでおります」とのコメントを発表した。拘束された場所や人数などの詳細は、安全確保のため「発言は差し控える」とした。
これまでの報道を総合すると、現地時間16日、アルジェリア東部の天然ガス生産関連施設で、イスラム武装勢力の襲撃があり、死傷者が出て、日本人含む関係者などが人質として拘束された。
人質となっているのは、ロイター通信によると、日本人5人とフランス人など少なくとも外国人9人。武装集団の犯行声明文では、7人のアメリカ人と2人のイギリス人を含む40人前後という。死傷者については、AFP通信によると1人死亡、6人が負傷。一方、ロイターではフランス人含む2人が死亡と伝えるなど、情報が錯綜している。日本人の安否は不明。
モーリタニアの通信社によると、事件には、国際テロ組織アルカイダから分派したイスラム系過激派の武装集団が関与している疑いがある。声明文でフランス政府のマリ空爆に際し、アルジェリア政府が領空通過を許可したことへの報復と宣言、空爆の停止とマリで拘束された過激派の解放を求めた。アルジェリアのウルドカブリア内相は、要求は受けたものの「交渉には応じない」とはねつけたという。
日本政府は16日、首相官邸に対策室、外務省に対策本部を設置し、アルジェリア政府などと連絡を取りながら情報収集と分析を進めている。時事通信によると、岸田文雄外相は同日深夜、欧州訪問中の城内実外務政務官を現地に派遣する考えを明かした。