「SKEにいる限り、外のオーディションは受けられないと言われた」
祝福されるべき旅立ちと思われるが、一度にこれだけの人数が卒業を発表する異常事態と言ってもいい。中でも矢神久美さん、小木曽汐莉さんは12年の選抜総選挙でそれぞれ28位、32位にランクイン、桑原みずきさん、平松可奈子さんはシングル表題曲の歌唱メンバーに6回選抜されたSKE48の主力メンバーだ。こうしたメンバーが揃って卒業することに戸惑い、うがった見方をするファンは少なくない。
2ちゃんねるには「SKE48謎の一斉大量卒業の理由を推理するスレ」というスレッドが立てられ、人気メンバーへの不満が募ったのでは、薄給に嫌気がさしたのでは、毎週のように行われる握手会で心が折れたのでは、などさまざまな憶測が書き込まれている。
また、桑原さんが公式ブログに「SKEに入ってから今まで約5年間、自分で雑誌や新聞から切り取ったオーディションを何度も持って行き、受けさせてほしいと頼みました。でも『SKEにいる限りは出来ない』と言われ、やっぱり自分で自由に挑戦できるような環境がいいなと思いました」、チームSの大矢真那さんも「しー(編注:高田志織さんのあだ名)が言った 『公演は大好き 卒業しても公演だけ出させてほしい言うくらいうちらは公演が好き だけど…』その後の言葉はそれぞれが語るのにまかせます」と書いたことも、「SKEにチャンスなんてありませんでした(苦笑)」「やっぱり握手がイヤなんだな」など、ファンの邪推を呼んでいる。
「AKB48白熱論争」という新書でAKB論を繰り広げた評論家・宇野常寛氏は今回の大量卒業について、1月16日にツイッターで「うーん、支店がもっと自活できる=支店で出世することで本店並に外仕事が取れるまでもっていくか、逆に支店と本店の序列を明確化した上で支店→本店への出世コースを制度化するしかないんだろうな。個人的にはやはり前者を支持したいけど(編注:本店はAKB48、支店は地方を拠点とする姉妹グループ)」と投稿している。頑張ってもなかなかグループ外での仕事につながらない現状に煮え切らない思いがあったのでは、との見方だ。