正社員の「リストラ」を支援 「アウトプレースメント」とは何だ

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リストラ対象者へのカウンセリングを重視

   労働基準法では、1か月前の解雇予告で1か月分の賃金さえ払えばいつでも誰でも解雇できるとされている。しかし、そう簡単にはいかない。納得して解雇される正社員は稀だろう。

   最近は、割り増し退職金を払って希望退職者を募っても予定人数に達しない例も少なくなくなった。退職強要などの違法行為につながりかねない大手企業の「追い出し部屋」には、そういった希望退職への応募を断った社員などが配属されるケースが目立つとされる。

   しかし、その一方で経営難であっても正社員の解雇は過去の判例で厳しく制限されていて、「日本の解雇規制は厳しすぎる」との指摘もある。

   再雇用の面倒を見ることに重点が置かれている日本と違い、欧米ではアウトプレースメントを、労使の訴訟リスクの回避や福利厚生の一環としてとらえている。また、人員整理時に支払う割り増し退職金などと比べるとサービスを利用したほうがコストが安く見込めることもあり、利用されている。

   なにより、リストラ対象者へのカウンセリングを重視していて、「リストラ社員の行き着く先」のように認識されている日本との「差」は大きい。ただ、欧米のように解雇規制が緩和されたとき、これも欧米に倣い、カウンセリング重視のアウトプレースメントの出番がさらに増えるとの見方もある。

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