松井にとっては最高の「後ろ盾」
問題は松井の意思である。巨人を去って大リーグに行ったとき、松井は「巨人との縁は切れた」と思っていたに違いない。背番号55はすぐ後輩が付けたし、巨人OBの王貞治と原が監督を務めたWBCにも参加しなかった。とても巨人には戻れないし、自分も戻らないと腹を決めたことだろう。
しかし、現役を辞めたものの、野球界で仕事があるのか、というと疑問符が付く。せいぜい評論家か解説者でしかない。それも最初の1、2年が注目されるだけだ。野球を離れてほかの仕事に就くとは考えにくい。まさか故郷の松井記念館の館長に収まることはないだろう。
先のことを考えたとき、後ろ盾が必要である。巨人なら文句はあるまい。天下の長嶋茂雄でさえ巨人にワラジを脱いで「終身名誉監督」になっている。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)