東京スカイツリー、落雪に厳戒態勢 「警備員を24時間60人以上配備して守る」

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   東京スカイツリーが落雪に備え厳戒態勢を敷くという。2012年の冬の建築中に落雪対策として、ヒーターで暖めたり雪が付着しないようにネットで覆ったにも拘らず、民家の屋根が破損したりガラスが割れるなど、落雪が原因とされる被害が4件報告されたからだ。

   さらに直下には1日に最大で20万人は訪れる人気の大型商業施設「東京ソラマチ」が開業している。スカイツリーを運営する東武タワースカイツリー社は、「雪が降った場合は60人以上の警備員を配し24時間体制で警備に当たる」と話している。

監視カメラを倍増、45台に増設

落雪対策として警備員を配置
落雪対策として警備員を配置

   動画投稿サイト「ユーチューブ」で検索すると、2012年1月の落雪翌日に撮影したというスカイツリーの動画が複数見つかる。雪の塊がスカイツリーの壁から剥がれ宙に舞って、中には「ドシャッ」という音で撮影者近くの地面に落ちたものもある。東武タワースカイツリー社はスカイツリーの設計段階から落雪対策を練ってきていて、昨年は雪が降った翌日には最大101人、延べ604人の警備員を配置したのだが、充分ではなかったようだ。

   幸い怪我人は出なかったが、落雪の被害として届けられたのは、民家の塩化ビニール屋根の破損が2件、明かり取り用のガラスのヒビが一件、乗用車に付けた樹脂カバーの破損の計4件の報告があった。

   スカイツリーは約3年半の期間を経て12年2月に竣工し、「東京ソラマチ」は同年5月に開業したが、12年11月から12月にかけ落雪対策の強化を行うことになった。

   新たな対策としては、昨年に雪の付着があった地上250メートルから285メートル地点に仮設ネットの取り付けと、降雪を監視するカメラを2倍の45台に増設。落雪の危険がある場合には、近隣の小学校や幼稚園、商店関係者にFAXを使った注意の呼び掛け。そして、買い物客で溢れる「東京ソラマチ」に関しては、注意を呼びかけるネオンを設置した軽トラックを巡回させる。さらに警備員を60人以上配備し、監視カメラの情報を使った指示で動かすほか、目視でも落雪に24時間フルに対応していくという。

   東武タワースカイツリー社の広報によれば、

「対策はこれで充分というわけではなく、降雪が予想される時間帯の割り出しから、雪の性質別にどのような落ち方をするのか、といったところまで情報を蓄積し、万全に安全を確保できるようにしていきます」

と話している。

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