猪瀬直樹の英語ツイートは国辱もの? 小学生レベルでも「通じればいい」のか

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   東京都知事の猪瀬直樹氏(67)が、東京五輪招致アピールのため、公式ツイッターアカウントで英語でのツイートをはじめた。誰かが翻訳したものではなく、自ら書き込んでいるようだ。

   しかし、文法の誤りや綴りの間違いが目立ち、ツイッターでは「トップの英語がこれでは恥ずかしいです」「いいじゃん通じれば」などと賛否両論を呼んでいる。

「炒めてるぞwww」「LとRの違いはカタカナでは分からないもんね・・・」

「I am frying back to Tokyo」

   2013年1月9日からオリンピック誘致のためイギリス・ロンドンを訪問していた猪瀬氏は12日、こんなツイートをした。直前に「これから東京へ戻ります」と日本語でツイートしており、これを英訳したかったようだ。しかし、この意味の場合、つづりは「fry」(油で揚げる、炒める)ではなく「fly」(飛ぶ、飛行機で行く)。fryでは、えびフライの「フライ」の意味になり、ネットでは「炒めてるぞwww」と混乱をよぶことになってしまった。「LとRの違いはカタカナでは分からないもんね…猪瀬さんがんばれ!」と皮肉めいたリプライが寄せられたせいかはわからないが、ツイートは現在削除されている。

   猪瀬氏は2012年12月30日から英語でのツイートを開始。ティム・ヒッチンズ駐日英大使にフォローされたことで話題になった。ただ、猪瀬氏の英語ツイートは当初から文法のあやまりやつづりの間違いが目立ち、構文も不自然だ。

   たとえば、13年1月2日の「We held the first Tokyo Olympic Games as a developing country in 1964. I want make sophysticated events as a leading country next time.」というツイートに対し、ビジネス英語の著書をもち、慶應義塾大学で教鞭をとる日向清人氏はツイッターで「まるで英語になっていません」と「添削」した。

「I want TO DO something.は中学レベルの基本パターンでしょうに。この程度の英語でツイートなんて厚かましいもいいところ。側近にいないのかなあ、『それはなりませぬ!』と言える人」
「make sophysticated events、よく見るとtoが落ちている文法ミスとsophisticatedの綴り間違い、それと慣用に反する組み合わせ、とわずか3単語の英語に間違いが3つ。駐日イギリス大使もフォローしているそうだけれど、これじゃ国辱」

   また、在英ライターの谷本真由美氏も、イギリス人大学教員の夫が猪瀬氏の英語を「小学生ですか?」と心配していたとし、「先ほど我が家の家人(イギリス人大学教員) がオリンピック誘致呟き拝見しましたが意味がわからないからネイティブの監修をつける必要がありますと言っています。トップの英語がこれでは恥ずかしいです」と訴えた。

「東京都の信用を損ねる行為に当たるのではないでしょうか」

   もちろん、こういった指摘に対して、異を唱える人もいる。

「人が英語しゃべると幼稚園児レベルとかつっこむやついるよねー。(…)いいじゃん通じれば」
「猪瀬さんのあの英語だと『公式文書』はちゃんとしたチェックいれないともちろんダメですよ。でもさ、ツイッターで自分の言葉で発信するいうなら、まずはやってみればいいじゃん。で、what do you mean?(編注:どういう意味?)の嵐になったら、やっぱダメかもってことで、別の方法考えればいいじゃん?」

   いずれも、英語がしゃべれない人ではなく、在米だったり、仕事で英語を使ったりしている人の声だ。

   また、公人の英語のつたなさをいちいち槍玉に挙げるから、日本人の英語学習者が萎縮してしまい積極的に書いたり喋ったりしなくなるのだという懸念も出ている。

   こうした意見に、先の日向氏は、

「発言の目的、その場の状況、本人の社会的地位などに応じて求められる言葉遣いのあり方をregisterと言いますが、英語、日本語を問わずこれが問題とされるのは、県知事に向かって大臣にあるまじき言葉を吐いたがゆえに辞職に追い込まれた例を思い出せば明らかです」

と猪瀬氏の公人としての立場を強調する見方を示した。その上で、

「国際的に1000万都民を代表する知事が論旨不明の英語でツイートするのは、日本語で訳のわからないツイートを流すのと同じ、東京都の信用を損ねる行為に当たるのではないでしょうか」

と反論している。

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