実務経験積まないと仕事で使えるレベルにならない
英語の場合、ビジネスで使えるレベルまで磨くのは大変だが、誰もが学校で勉強した経験があり、全く未知の世界に飛び込むわけではないだろう。だがコンピューター言語となると、一般的に中学や高校の授業で習うような性質のものではない。仮に「社内公用語化」となれば、何の知識も持たず「ゼロからスタート」という社員は少なくないはずだ。
ある男性プログラマーに聞くと、「Javaは、PHPなど他のコンピューター言語と比べて覚えることが多く、習得は難しい」と話す。利用度が高くて「できることが幅広い」メリットがあり、金融機関のシステムなどで使われる。半面、初心者が学ぶ上では「『このルールにしたがって書かねばならない』といった決まりが多くて、複雑」というのだ。
独学で勉強したり、検定試験を受けたりして基礎知識を身につけたとしても、実務で数年ほど経験を積まなければ「仕事で使えるレベル」にはならない。だが、「生半可な知識で業務に手を出されては、かえってトラブルのもとになりかねません」と男性プログラマーは指摘する。
三木谷社長は2012年6月29日、外国人特派員協会での講演の中で、英語公用語化の方針を打ち出した2010年当時を振り返った。周囲には首をかしげる人がいたが、日本語が全く話せなかった外国人社員が短期間で会話力をつける姿を見て「なぜ日本人ができないのか」と英語化を推し進めたそうだ。それから2年間で成果が出てきた手ごたえから、次のステップを思い立ったのだろうか。
楽天広報部はJ-CASTニュースの取材に応じた。三木谷社長は「IT企業として、エンジニアに限らず社員全般がJavaのようなコンピューター言語の理解を深め、基礎知識を身につけるのはいいこと」と推奨したのは間違いないようだ。だが、「英語公用語化では一定レベルのスキルを身につける目標を立てていますが、Javaについては現段階で『資格を取る』『業務で使えるようにする』といった公用語化の具体的プランが進んでいるわけではありません」とのことだった。