友達がなかなかできず、1人で行動することが多くなってしまう、通称「ぼっち」を自認する人が最近増えている。かつて「ぼっち」を気にする学生がトイレの個室で飲食する「便所飯」というのが話題になったこともある。
そんな中、依頼を受けて友人の代わりを務める「レンタルフレンド」というサービスがインターネット上で新たな関心を呼んでいる。いったいどんなサービスなのか。
若年層は友達がいない、中年層は心の触れ合いを求めている
以前から、結婚式・披露宴などに友人として出席するという代行業はあったが、ショッピングや食事など、日常生活を友人と過ごしたい、という人が、便利屋に依頼をする例が増えているそうだ。
2009年に設立した女性スタッフだけの便利屋「クライアントパートナーズ」も、そうした依頼を請け負っている。代表取締役の安倍真紀さんによると、もともと「レンタルフレンド」や「友人代行」というサービスをやろうと思って始めたわけではなく、ニーズに応えていく中でサービスが生まれたという。
具体的には、「ディズニーランドに行きたい」「新しくできた施設に行きたい」「レストランで食事したい」「映画に行きたい」「話し相手になってほしい」などの依頼が寄せられるそうだ。
「ぼっち」と呼ばれるのは主に大学生だが、依頼主は老若男女さまざま。若年層は物理的に友達がいないという悩み、中年層は他人との心の触れ合いがなく寂しい、という気持ちを抱えているという。隣近所の助け合いが減ったり、コミュニケーションを苦手とする人が増えたりという現状で、依頼は徐々に増えている。
「友達が居た時期があると、孤独が身に染みるんだよな…」
インターネット上では、13年1月7日、読売新聞の電子版に「レンタルフレンド」を申し込んだフリーターの話が掲載され、話題になった。月に数十件の利用があるという。
「初めて聞いたわ」「ついに友人をレンタルする時代が来たか・・・」など、そういったサービスを知らなかったという書き込みや、「そんな気にして飯食う奴なんかおるんか?一人じゃ飯も食えんのか?」「社会に出たらみんなぼっちじゃねぇの?1人で行動する事を恐れてたら何もできんだろ」など、なぜそこまで1人でいるのが怖いのかという疑問の書き込みもある。
一方、「ちょっとでも友達が居た時期があると、それまで平気だった孤独が身に染みるんだよな」「みんながガヤガヤしてる中で、そういう心情になるのはわかる」など、「レンタルフレンドを利用する気持ちも理解できる」という声も見られた。