「自動車産業は2008年のリーマンショツク以降、東日本大震災など様々な問題を乗り越えてきたが、これも多くの人の支えがあったからで、感謝の気持ちを大切にしたい」
日本自動車工業会会長の豊田章男トヨタ自動車社長は2013年1月7日、東京都内のホテルで開いた自動車工業会、自動車部品工業会など自動車4団体共催の新年会でこう強調した。円の対ドル為替相場が円安基調にあることもあって業績回復に自信ある口調となった。自動車業界は完成車メーカーだけでなく多くの部品メーカーと共存する産業だけに中小、零細業者にも気配りする事情もある。
豊田自工会会長は「自動車業界は、自らが市場を元気にする努力をしている」とも強調したが、有力な経済閣僚も顔をそろえたとあって、「自動車重量税の廃止を求める」と陳情も忘れなかった。会場には安倍首相も駆けつけ「強い経済を取り戻す。経済を成長させて富を分配させ、頑張っている人が報われるような社会をつくりたい」とエールを送ると満員の会場は沸いた。
自動車団体の新年会に先立って開かれた経済3団体の賀詞交換会では1700人の経済人が詰めかけ、安倍首相は「成長による富の創造」を強調した。久しぶりの自民党政権の誕生とあって期待の高まる経済界の新年会だった。