マンションの「ホタル族」は風前の灯 ベランダ喫煙でトラブル多発、換気扇にも苦情

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   マンションのベランダで61歳の男性がタバコを吸い、その煙で体調が悪くなったとして、同じマンションに住む74歳の女性が訴えを起こし、名古屋地裁が男性に賠償金5万円の支払いを命じていた。

   喫煙問題に詳しい谷直樹弁護士によれば、ここ数年で ベランダでの喫煙に関する苦情の相談が「山のように」来る様になっている。換気扇で煙を外に出すのも含め、マンションの自宅からタバコの煙を出してはいけない時代になっているという。

ベランダで喫煙した男性に5万円の支払いを命じる

   女性が名古屋地裁に訴えたのは、マンションの階下にすむ男性がベランダで喫煙しその煙が自宅マンションの室内まで入ってくるため、喫煙をやめるよう何度も申し入れたが男性はそれを無視した。それが約1年半続いたため体調が悪化したとして、150万円の賠償を求めた。判決が2012年12月13日に出て、女性の精神的損害を認め男性に5万円の支払いを命じた。

   この報道があった13年1月9日にネットでは「もうベランダでタバコは吸えないということか?」「そもそもベランダで吸ってもらっては困る!」などと大騒ぎになった。実は3年ほど前からベランダでの喫煙や、換気扇から吐き出されるタバコの煙に関する苦情と、それは容認されるべきだといった議論が活発に行われていた。

   今回の判決についてNPO法人の「全国マンション管理組合連合会」川上湛永事務局長は、

「ベランダでの喫煙で裁判まで行くのは非常に稀なケースだ」

と驚いている。一般的なマンションのベランダは、災害時にそこを通って避難ができるといった共用部分であり、マンションや住民全体のもの。ただし、日常的には専用使用が認められていて、洗濯物を干したり、鉢植えを置いたり、ペットのトイレを置いたりなどができ、もちろんそこでタバコを吸っても、マンション内で特別な取り決めが無い限りは自由なのだという。

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