共産党の意を受けた新聞社の幹部が圧力をかけた?
当局も反論を試みているようだ。
13年1月6日夜には、中国版ツイッターにあたる「微博」に開設された「南方週末」の公式アカウントが、問題の社説について「本紙の責任者が原案を書いており、ネット上のうわさは事実ではない」とツイートし、社説の書き換えを否定した。
この書き込みをめぐっては、共産党の意を受けた新聞社の幹部が、「微博」アカウントの担当者に対して、パスワードを教えるように圧力をかけたとの指摘もある。「微博」では、記者を名乗る人から
「書き込みは編集部を代表するものではない」
「編集部は『ニセ声明』と戦っていく。真相が解明されるまで編集業務は行わない」
といった書き込みもあり、記者側はストライキに踏み切る構えだ。
一連の騒動は北京にも波及している。共産党系の「環球時報」は、1月7日の社説で、「南方週末」編集部の主張が非常に過激であることを指摘。
「中国の全てのメディアの発展は、現実的に中国の発展に即したものであるべきで、メディアの改革は、中国全体の改革の一部分でなければならない。メディアが中国の『政治特区』にはなり得ない」
と、「南方週末」が急進的だとして批判した。
このような動きは「南方週末」だけではない。リベラルな論調で知られる雑誌「炎黄春秋」が、表現の自由や結社の自由を求める文章を掲載したところ、1月4日にはウェブサイトへのアクセスが一時的にブロックされた。
一連の「検閲」ともとれる動きには、国内の動揺を押さえ込む狙いがあるとみられるが、こうしたやり方がいつまでできるのかは疑問だ。最高指導者に就任した習近平氏の新体制は正念場に立たされた。