大物政治家が「悪役」を引き受けて与党内をまとめないと…
また、国民に不人気の増税をする際は、税のプロとして一定の権威がある大物政治家が「悪役」を引き受けて与党内をまとめないと話が進まない実態があり、消費税導入時の山中氏はもちろん、政府税調で決めるとしていた民主党政権でも藤井裕久氏が党税調会長として最後は消費税引き上げの党議決定に導いたのは記憶に新しいところ。自民党の政権復帰で税制改正論議も、基本的に昔に戻ることになった。
予算編成は、1月中に2012年度補正予算案と2013年度の本予算案を一緒に閣議決定する方向で、税制論議もその前、1月中旬にまとめなければならない。具体的な当面の懸案は2014年4月からの消費税増税に向けた低所得者対策など「社会保障と税の一体改革関」連法の自民、公明、民主3党合意での積み残し項目だ。
低所得者対策では、民主党政権が税控除と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」を掲げていたが、自公は連立政権合意で、食品など生活必需品の税率を据え置く軽減税率の導入検討を打ち出した。