1~2人乗りの新規格自動車 「超小型モビリティー」2015年にもデビュー

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   「超小型モビリティー」が近く全国の公道を走り出す。国土交通省は2013年1月末から超小型モビリティーの市販化に向けたモニター試験をスタートさせる。

   このモニター試験は今後2年間ほど行う予定で、国交省は試験結果を踏まえて2013~2014年に車両の安全基準などを策定する予定。超小型モビリティーの発売は早くて2015年と見られている。国を挙げて実用化に取り組む超小型モビリティーだが、車両価格や維持費など本格普及に向けた課題は山積している。

主なユーザー層は高齢者や子育て世代

   超小型モビリティーは1~2人乗りの新たな規格の自動車。国交省の「導入ガイドライン」によると、車格は軽自動車以下、電気自動車(EV)の場合の定格出力は8kW以下、内燃機関の場合は125cc以下と規定している。最高速度は60km/h、EVの航続可能距離は100km程度になる見込み。高速道路を走行することはできない。国交省では超小型モビリティーの主なユーザー層を高齢者や子育て世代と想定。国交省は軽自動車や小型車に替わる「日常の足」として超小型モビリティーを各地に普及させたい考えだ。

   世間の注目を集める超小型モビリティーだが、普及に向けた課題も多い。最も大きな課題は70~80万円と見込まれる車両価格だ。軽自動車のエントリーモデルが80万円台に設定されている今、最大2人乗りの超小型モビリティーは「正直なところ、50万円以下でなければ軽自動車とは勝負にならない」(自動車メーカー幹部)とする業界関係者は多い。

税金や保険料、定期点検などの維持費が必要

   当然、超小型モビリティーにも税金(自動車取得税、自動車重量税、自動車税)や自動車保険料、定期点検などの維持費が必要になる。超小型モビリティーの税率について国交省幹部は「まだ白紙の状態」としながらも「軽自動車と同等か若干低い税率にすべきだと考えている」と見通しを話す。国交省はまた、超小型モビリティーにも車検を義務付ける方向で検討を進めている。

   市販化に向けた環境整備が急ピッチで進む超小型モビリティーだが「どこに需要があるのかよく分からない」「作ったけれど売れませんでしたでは困る」というのがメーカー各社の本音だ。最大のライバルである軽自動車を凌ぐメリットをいかにして生み出すのか。国交省をはじめとする政府関係者の手腕が問われる。

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