サッカー専門紙「エル・ゴラッソ」のデザイナーが、欧州で活躍する日本人選手をツイッターで罵倒した。「早く他へ行ってくれ」「不快だ」「身の程を知れ」と過激に言いたい放題だ。
真意は不明だが、サッカーファンはこの発言を猛批判。新聞の運営会社はウェブサイトに謝罪文を掲載し、このデザイナーのウェブ上での発言自粛の処分を下した。
「まことに申し訳ありませんでした」と謝罪
渦中の人物は、「エル・ゴラッソ」デザイナーの佐藤峰樹氏。頻繁にツイッターで欧州サッカーの情報を流していたが、年明け早々のツイートは様子が違った。いきなり「ユナイテッドやインテルあたりで日本人がヨロヨロやってる」のはありがたみがない、早く他へ行ってくれ、興醒めだ、と強烈な内容を書き込んだのだ。
選手の個人名は書かれていないが、内容から考えて「ユナイテッド」の日本人とは英プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司選手を、「インテル」は伊セリエA、インテルミラノの長友佑都選手を指しているというのは想像に難くない。日本人選手が欧州の名門チームでプレーしているのが気に入らないようだが、その理由はよく分からない。
さらに「もうヨーロッパに日本人選手は要らないし、不快だ。足手まといで邪魔なんだよ」と追い打ちをかける。「とどめ」とばかりに「Jでテキト~に稼いでいればいいじゃん。身の程を知れ」だ。日本人選手に加えて、Jリーグをも小馬鹿にしたような態度だ。
いつもの発言内容と比べてあまりの違いに、これを読んだ人からは「アカウントが乗っ取られたのでは」と疑問が寄せられたほどだ。だがいずれも本人の投稿だと分かった。佐藤氏が2013年1月2日になって「昨日は、フットボール・ファンの皆さまに不快な印象を与え、まことに申し訳ありませんでした。暫くツィートは自重いたします」と謝罪したからだ。
サッカーファンからは佐藤氏だけでなく、「エル・ゴラッソ」のツイッターアカウントにも批判コメントが送られた。「エルゴラの定期購読を止めるつもり」「Jリーグ馬鹿にしてんのか」「こんな人間を担当させている限りは永遠に買いません」と憤慨する人が続出だ。
以前も「チンケな業界紙の三流編集の分際で」と激昂
事態を収拾するため、「エル・ゴラッソ」を発行するスクワッド社はウェブサイトで、「サッカーファンの皆様、及び関係者の皆様に対して極めて不適切なものであったことを深くお詫びいたします」と全面的に謝罪した。佐藤氏に対しては、「ウェブ上での配信について厳しく注意をし、事態の重要性を勘案し今後は本件ツイッターアカウントを始めとするウェブ上での発信については自粛いたします」との「処分内容」を明らかにした。それでも、「注意だけで済む問題か」と指摘するファンもいる。
一方で「今回のツイートはエル・ゴラッソの編集方針とは全く関連性はございません」と強調、あくまで個人的な発言だと説明した。だがサッカー専門紙としてのイメージダウンは避けられない。
通常は欧州サッカー関連の情報提供に徹している佐藤氏だが、以前もツイッターで「激昂」していたことがある。仕事上で気に障ったことがあったのか、「大した仕事してないくせに忙しぶって全てを先延ばし。どこぞの大先生気取りなんだよ。そんなの巻き込まれるなんて真っ平ごめんだ。外注でもなんでも使って適当におさめろや、クズが」と罵倒。さらに「たかがチンケな業界紙の三流編集の分際で」と、激しくののしっていた。