サントリーが主力子会社を上場 調達する約5000億円は何に使うのか

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サントリーHD本体は上場しないまま子会社を

   サントリー食品インターナショナルは2011年12月期の売上高が9706億円で、サントリーHD全体の5割超を占める主力子会社。飲料の国内シェアでは日本コカ・コーラに次ぐ2位の規模。しかし、サントリーHD本体の上場に踏み切らないばかりか、サントリーHDは食品インターナショナルの上場後も、株式の過半を保有し続けると見られている。

   親会社=持ち株会社を上場し、子会社は非上場とするのが普通で、キリンやアサヒはそうしている。サントリーHDの対応は異例だ。

   これにはサントリーHDの株式の9割を創業家の資産会社「寿不動産」が保有していることがかかわる。HDを上場すれば、創業家の持ち分が9割のままということは考えにくい。キリンHDとの経営統合が破談したのも、創業家の支配力をめぐる調整がつかなかったためだ。外部の人間に余計なことを言われたくない創業家が自ら支配力を弱めようとするはずがない。酒を扱う「サントリー酒類」(東京都港区)の上場を見送るのも、短期的な利益を求める市場の「干渉」から祖業を守ため、との見方がある。

   社風の「やってみなはれ」精神の発揮を期待する向きも少なくない。そんな独特のオーナー経営に、資本市場がどのような評価を与えるか、注目される。

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