日台で住み分けができれば・・・
尖閣国有化に大きく反発したのは中国だが、2012年9月25日には台湾も漁業関係者が抗議船団を組んで尖閣付近まで押し寄せてきたことがあった。台湾側にとっても漁場を失うわけにはいかないからだ。石垣や沖縄と台湾の漁業交流の歴史は長いが、近年は限られた漁場をめぐっての対立が続いているのが現状だ。
11月、上原さんは中山義隆・石垣市長を団長とする代表団のひとりとして台湾北東部の宜蘭県を訪れ、現地漁協の理事長らと面会、尖閣周辺の漁業権に関する意見交換会を開いた。政府レベルで協定の締結まで至るかは今後の推移によるが、上原さんとしては「日台で漁場の住み分けができれば、中国が入ってくるすき間がなくなる」と考える。台湾との協定が中国への「抑止力」になることを期待する。一方で日中漁業協定は、特に沖縄の漁業者にとって今後の影響が懸念される北緯27度以南の取り決めについての見直しを政府に求めたい、としている。