発売から2か月あまりたったマイクロソフトのWindows8(ウィンドウズ―)。発売前はスタート画面大幅な変更や、タブレット対応などがかなり取りざたされたが、現在ではあまり話題に上ることがない。
販売本数で見れば順調のようだが、専門家からは「プロモーション不足」「マイクロソフトはつぶれるかどうかの瀬戸際にいる」などと指摘されている。
ライセンス販売数は1か月で4000万本突破
マイクロソフト社(MS)の最新OSウィンドウズ8はタッチスクリーンでの操作に対応することが売りだ。これまでのウィンドウズでおなじみだった「スタートメニュー」を廃し、「タイル」型のメニューを採用したことで大きな話題となった。2012年10月26日に発売し、11月27日にはライセンス販売数が1か月で4000万本を突破した。とくに、アップデート版の販売が好調だという。一つ前のウィンドウズ7は3か月で9000万本超えだった。数字だけを比べれば、出足は順調に見える。
しかし、発売から2か月あまりたった今、ウィンドウズ8が話題に上ることはあまりない。インターネットニュースの記事でもアップル製品やAndoroid端末をあつかったものが圧倒的に多い。数少ない「ウィンドウズ8」を取り上げたものはといえば、搭載パソコンが売れていなくて、値下がりした7搭載モデルやタブレット端末を相手に苦戦しているといった内容だ。家電量販店でもひときわ目を引く様子はない。
いったいなぜなのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、マイクロソフトの「プロモーション不足」を指摘する。
井上さんによると、一般のユーザーが家でデスクトップパソコンを使って毎日情報を入手するようになったのは、「スマホ」が日本に導入された2007年から8年以降のこと。スタート画面の変更で、ようやく慣れてきたパソコンの使い方が大きく変わることに戸惑い、一般のユーザーには手が出にくくなっているのかもしれないそうだ。ネットでも、発売当初から「スタートメニューがなくてどう操作すれば良いのか」といった疑問は出ていた。「慣れると絶対使いやすいんですが」と井上さんはいう。それを伝えるためのプロモーションが足りていなかったということのようだ。