東通原発の再稼働、13年春に「新基準」で判断
一方、原子力規制委員会は東北電力・東通原発(青森県)の敷地内の断層については、島崎規制委員長代理ら専門家が現地調査した結果、「活断層の可能性が高い」との見解でほぼ一致した。調査団が原発の敷地内で活断層の存在を指摘するのは、敦賀原発(福井県)に次いで2例目。
ただ、活断層が原子炉建屋の真下を通る敦賀原発が、再稼動を認めず、廃炉の可能性が強まっているのに対して、規制委員会は東通原発の敷地内の断層が活断層と判断された場合でも、再稼働できるかどうかの判断を13年春まで先送りする考えだ。
規制委員会は地震による原発の安全性への基準づくりを見直している。その新基準を待つ必要があり、田中俊一委員長は「基準が出ないと判断の根拠がない」と話し、さらには「事業者が耐震対応し、その結果がよければ運転できる」と述べている。
活断層が敷地内を走っていても、再稼働できる可能性に含みをもたせたわけだ。
安倍晋三首相は、民主党政権時の「2030年に原発ゼロ」の方針を、踏襲しない考えを示している。また、茂木敏充経済産業相も原子力規制委員会が安全確認した原発の再稼働について、「政府の責任で決めたい」と発言。再稼働の最終判断に、政府が強く関与し、前面に立って地元自治体などと調整を進める考えを明らかにしている。