副作用による健康被害生じるおそれ
ネットでの薬品販売をめぐっては、安全性の確保が争点となっていた。ネット販売では対面と違って消費者に十分な説明がなされず、副作用による健康被害が生じるおそれがあるというのが国などの主張だった。一方、ケンコーコムらは「ネットでも説明は可能」と反論。日本オンラインドラッグ協会(JODA)は自主ガイドラインを作成し、ヤフー、楽天などと共同でネット販売の継続を求める要望書を国に提出していた。
10年3月に下された1審・東京地裁判決では、規制は健康被害を防ぐ上で合理性があるとして国側が勝訴した。しかし、2012年4月の2審・東京高裁判決は、一転して販売権を認めた。薬事法改正にネット販売に関する規定がないことや、ネット販売による副作用発生の調査がなされていないことをあげ、「改正法の趣旨を逸脱しており違法」と判断したのだ。
その上で12年12月22日、最高裁第2小法廷は、判決期日を13年1月11日に指定した。これまでに2審を見直すための弁論を開いていないため、販売権を認めた東京高裁判決が確定する見通しとなった。
はやければ、1月以内にネットで市販薬がかえるようになることに、ネットでは、「吉報」「これはありがたい」などと歓迎の声が相次いでいる。