参院の決選投票で8票を海江田氏に投じる
焦点は、今後の小沢氏の動向だが、「古巣の民主党にすり寄る」との観測も早速出ている。伏線のひとつが、首相指名選挙での参院での投票だ。「未来」は投票直前の両院議員総会で、森氏に投票することを決めていた。だが、参院の1回目の投票では自民党の安倍晋三総裁が過半数を獲得できなかったため、決選投票に。決選投票の結果は、安倍氏107票、民主党の海江田万里代表96票、無効1票、白票30票。森氏を含む「未来」所属の8人の参院議員は、海江田氏に投じていた。森氏は、就任挨拶のために「未来」の国会控室を訪れた海江田氏に対して、このことをアピールしてもいる。
民主党の輿石東参院議員会長(前幹事長)は記者会見で、この点について問われ、
「そういう意味合いは何を意味するのかということも、推測できるんじゃないですか?」
と発言。今後の連携に含みを残した。
だが、野田佳彦前代表時代に民主党から離党した大量の小沢系議員は、今回の衆院選でほぼ「壊滅」。民主党は「筋肉質な党に体質が改善した」ことをアピールすることに余念がないだけに、小沢氏との連携には拒否感が強いとみられる。
その筆頭格だと考えられているのが菅直人元首相だ。菅氏は12月27日にブログを更新し、
「小沢さんは『子分』か『敵』しか作らない人。使いこなすのは不可能。『原発ゼロ』も小沢さんにとっては生き残るための一時的戦術」
と、小沢氏を切り捨てている。