「長嶋監督と素振りしたのが一番の思い出」 松井「引退会見」で明かした師弟愛

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大リーグ移籍何度も相談、決断を真っ先に伝えた

   松井選手が巨人からFA宣言をしてヤンキース移籍を明らかにしたのは2002年11月。長嶋氏は前年のシーズンで巨人軍監督から退いていた。だが大リーグ移籍を何度も相談し、決断を真っ先に伝えた相手は長嶋氏だったようだ。当時の報道を見ると「最後はわがままを聞いてもらった」と打ち明けている。これに長嶋氏も「初志貫徹してよかった」とエールを送っていた。

   引退の報告も、会見前に電話で伝えていたという。そのときの長嶋氏の胸の内を推し量って「少し残念な気持ちと、『よくがんばった、ご苦労さん』という気持ちの両方あった気がします」と述べた。

   母校である石川・星陵高校の恩師、山下智茂名誉監督は松井選手を「努力の天才。人前で努力しない、隠れて努力するのがプロじゃないかと思う」と評した。実は長嶋氏も「人には努力している姿を見せず、陰で努力するタイプ」だと菅谷氏は明かす。野球人としての2人の姿勢は共通していたのだ。だからこそ「長嶋氏は松井選手の才能を見抜いたのでしょう。よほどでなければ自らの『ふところ』に入れない長嶋氏がこれほどの熱意を持って育てた松井選手は、稀有な存在だと言えます」。

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