大人気マンガ「黒子のバスケ」のアニメ第二期の制作が決まったという情報がネットに流れ、「この時期での発表は最悪だろ?」などとアニメ制作会社を心配する声が拡大している。
2012年10月から作者の藤巻忠俊さんが憎い、などとして藤巻さんの母校や「黒子のバスケ」のイベント主催者などに脅迫状や、殺害を目的とした硫化水素が発生する薬品などが置かれ、イベントは軒並み中止を余儀なくされた。アニメを制作したMBS(毎日放送)にも脅迫状が届き、そこには「二期を流すなら覚悟しろ!」と書かれていたからだ。
脅迫状が届いたイベントや店舗の数は60を超えた
「黒子のバスケ」は集英社の「週刊少年ジャンプ」で連載が始まったバスケットボールマンガで、単行本は現在20巻、累計1500万部近く売れる大ヒットを記録している。また、「腐女子」と呼ばれるボーイズラブ好きの女性に大人気という一面があり、登場人物の恋愛を描いた二次創作の同人誌がバカ売れし、展示即売会のイベントが全国各地で開かれている。テレビアニメ化もされ、MBSや独立UHF局で12年4月から9月まで放送された。
そんな「黒子のバスケ」だが、作者の藤巻さんが憎いなどとして藤巻さんが在籍していた上智大の体育館に12年10月12日に硫化水素が発生する液体が入った容器が置かれた。
翌 13日には東京ビッグサイトに「イベントをやめなければ、薬物をばらまくぞ」という脅迫文と、粉状のものが送りつけられた。さらに脅迫は止まらず、イベントを開催予定のテーマパークや書店だけでなく、作品の舞台となったとされる複数の高校や、アニメを放送した放送局、アニメ制作会社と続き、脅迫状が送られたその数は60を超えているとされる。
また、脅迫状を送った本人だという「喪服の死神」と名乗る人物が掲示板「2ちゃんねる」に現れ、今回の自分の行動について説明している。これが本当に本人で、内容が事実かどうか謎なのだが、犯人と藤巻さんは知り合いで、藤巻さんは犯人が大切にしていた人と離れ離れになるきっかけを作った。ただし、藤巻さんが自分に謝ってくれれば許すことが出来る。自分が警察に自首する際には
「藤巻さんは100%落ち度の無い純粋な被害者です。動機は彼の学歴と才能と成功への嫉妬です。藤巻への恨み云々の話は全て俺の妄想に基づく作り話です」
と証言すると書いている。また、年内に逮捕されなければ自殺するつもりだ、とも。一方の藤巻さんは「全く身に覚えが無い」と困惑しているという。こうした状況のため、年末年始に予定されていた「黒子のバスケ」のイベントは軒並み中止を余儀なくされた。