「規制委ショック」が電力各社や原発自治体を襲う 早くも「自民党の政治力」期待する声

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「規制委は立場をわきまえろ」

   原子力規制委の科学的判断が電力各社や立地自治体を席巻する中、衆院選で「原発ゼロ」を掲げなかった自民党の大勝を受け、安倍政権の政治力に期待する声もあがっている。

   「規制委員会の各委員は立場をわきまえて事に当たる必要があるのではないか」。石川県の谷本正憲知事は衆院選後の会見で、民主党内の抗争などによって規制委人事が国会の同意を得ていないことを問題視した。

   この発言の背景には、活断層に絡む規制委の科学的判断への批判がある。自民党内部や立地自治体には「規制委員会の現メンバーは民主党政権のもとで選ばれ、今も正式承認されていないのだから人選をやり直すべきだ」との意見も少なくないが、独立性の高い同委員会への政治介入は許されない。規制委の田中俊一委員長は「私たちの判断の根拠は科学であり、政治が何を言ってきても一切関係ない」と強調する。

   選挙で勝利した自民党の原発に関する公約を確認すると、再稼動については「3年以内に結論を出す」、原発を含むエネルギー基本計画については「10年以内に原発や火発、自然エネルギーなどのベストミックスを確立して判断する」としている。原発の新増設を巡っては含みを持たせていた。

   新増設について新たに経産相に就任した茂木敏充氏は27日未明の会見で、全国で12基の計画がある新増設のうち、着工前の9基に関して「今後の大きな政治的課題になっていく」と述べた。建設を認めなかった民主党の方針を白紙に戻し、建設にゴーサインを出すこともあり得るとの意向を明らかにした。建設中の3基については建設継続を認める意向を示した。

   電力の安定供給を最優先課題に据える安倍政権は、原発行政にどう影響力を行使し、再稼動への道筋をどう取り付けていくのか。

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