引退の金本、「将来は広島監督をやりたい」 来年はフリーで「勉強」する

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阪神よりも広島への愛着が強い

   広島監督を熱望した理由は「広島は自分が育った球団でもあり、選手教育がしっかりしているし、古き良き時代の節度がある」。

   そして広島の使命に重きを置いている。いうまでもなく広島は原爆が投下された場所。金本はそこを強調した。

「私の両親も被爆した。だから子供の頃から原爆の話は聞いている。学校の授業でも何度も何度も話を聞かされた。先輩たちはそういうハンデを乗り越えてきた。その広島のために尽力できればと思っている」

   広島への愛着は強い。入団して3年間は自宅にネットを張ってバットスイングをした。「だれにも負けないだけの回数を振った」と振り返った。そこから「鉄人」と呼ばれるまでになった。プロ野球選手金本の原点が広島にあることを自覚している。

   数々の記録の中で「最も誇れる記録は連続打席無併殺記録(1002打席)」と言った。大リーグ記録をしのぐ1万3686イニング連続出場などの世界記録ではなかった。チームのため、これが金本の実像である。

   広島には前田智徳というチーム生え抜きの大選手がいる。いずれ監督になる男だ。その後にチャンスが回ってくるだろう。それまで勉強の日々を送ることになる。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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