トヨタ自動車は、米国での大規模リコール(回収・無償修理)に伴う集団訴訟で、11億ドル(約940億円)を支払うことで原告と和解したと、2012年12月26日に発表した。
大規模リコールをめぐってはユーザーの一部が「意図しない急加速」を指摘。エンジンを制御する電子スロットルに原因があると問題視したが、米航空宇宙局(NASA)などの調査でトヨタ車に過失がなかったことが証明されている。しかし、トヨタは訴訟が長引くことによるイメージ低下を避けるため異例の和解金支払いに踏み切った。米自動車業界の和解としては史上最高額とみられる。
2009~10年の米国での大規模リコールに伴う集団訴訟では、すでに投資家との間で和解が成立済み。今回は「クルマの(下取り価格など)価値が低下した」とする訴えについて和解した。残る訴訟は「電子スロットルそのものに欠陥がある」とするもので、トヨタは引き続き争う構え。すでに過失がなかったことが証明されており、敗訴になる可能性は低いとみられる。