「クリスマスが今年もやってくる」
日本ではすっかり風物詩となった、「クリスマスはケンタッキー」のCMに、外国のネットユーザーから驚きの声が相次いでいる。
キリスト教圏では、クリスマスに七面鳥(ターキー)の丸焼きを「ごちそう」として食べる。その代わりとして、「ファストフード」の位置づけのケンタッキーをあてる日本に違和感を覚えるらしい。
日本人からは「別にいいじゃんw」「ターキーはどうやっても不味いからKFCでいいのだ!」といった反論が出た。
ケンタッキーに行列ができる
「これは悲しい」「クリスマスにチキンなんて、僕だったら立ち去っちゃうかも」――。YouTubeにアップされた、クリスマス向けのケンタッキーフライドチキンの日本国内CM動画に、海外からこんな感想が相次いで寄せられた。竹内まりやさんの歌声に合わせて、家族やカップルがケンタッキーのクリスマスパックを楽しむ映像を目の当たりにした、主に欧米ネットユーザーからの反応だ。
実は、クリスマスにチキンを食べるのは、日本独自の文化らしい。そのはじまりはKFCが日本に進出した30年以上前にさかのぼるという。ある外国人客が、日本ではクリスマス用の七面鳥が見つからなかったため、やむをえずかわりに日本KFCの店舗でフライドチキンを買っていった。これを知った日本KFCが大々的に「クリスマスはケンタッキー」と広告戦略をしかけ、日本人の間で定着した――といわれている。
日本KFCホームページを見てみると、パーティーバーレル(3980円)、プレミアムローストチキン(5600円)、ローストレッグ(1000円)、クリスマスパック(2080円~)といったクリスマス向けメニューのきらびやかな写真が並んでいる。ツイッターの情報によると、2012年12月24日も、東京・渋谷の店舗にはチキンを求める人々が行列をなしたそうだ。
「ってか、日本人って本当にクリスマス祝うんだね」
ところが、海外では、KFCはマクドナルドなどにならぶ安価な「ファストフード」扱いで、「クリスマスのごちそう」のイメージからは程遠いようだ。そのため、動画に、
「この映像は丹念に作ったジョークだろ?日本人は本気でこういうことやってるの?」
「わからん……。なんでケンタッキーがクリスマスに合うの?」
などと疑問の声が主に英語で300件以上相次いだ。
「ってか、日本人って本当にクリスマス祝うんだね」という感じの、軽い驚きも盛り上がりの背景にあるようだ。ちなみに、「キリスト教年鑑2012年版」によると、日本のクリスチャンの割合は全人口の1%弱となっている。そんな国で、欧米並みにクリスマスが祝祭の日になっていることが信じられないようだ。
ただ、好意的な見方をする人たちもいる。
「フライドチキンが『伝統的な』クリスマスの食事だって?仲間に入れてよ!僕が日本に行かなきゃならない理由のひとつに付け加えなきゃ!」
「ケンタッキーをこんなに魔法みたいにかわいくできるのは日本だけね……。なんか Kawaii 田舎料理って感じになってる!!!!」
「素敵!アメリカだと普通は、味気ない料理を家族と食べるだけ…」
日本人からも、「別にいいじゃんw 」「七面鳥が全世界にいると思うなよ」「ターキーはどうやっても不味いからKFCでいいのだ!クリスマスのホントの意味なんか知らなくても楽しければいい!」といった反論が出ていた。