ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、「PS3」や「PS VITA」などのゲーム機を、電子レンジに入れて加熱しないように、と呼びかけている。修理を依頼されたゲーム機の中に、これをやった形跡が見られるからだという。
ネットでは、レンジでチンする目的が何なのか全くわからない、などと戸惑いと驚きが広がっている。
ドライヤーを使った「修理法」は過去にあった
SCEは2012年12月22日に重要なお知らせとしてこんな告知を出した。
「修理のご依頼をいただいた製品に、稀に電子レンジやドライヤー等を用いた外部からの加熱が原因と思われる本体外装の変形、および本体内部部品の破損・焼損痕が見受けられます」
そして、「製品本体への加熱は、故障につながるほか、火災や感電、怪我の原因となるおそれがあります」と警告している。
対象となっている製品は「PS3」や「PSP」といったゲーム機で、なぜ電子レンジやドライヤーで加熱する必要があるのか、などとネットで話題になった。ただし、ドライヤーに関しては「自分もやったことがある」などと証言する人が多い。一部ではよく知られた「PS3の修理方法」のようだ。
ドライヤーを使った「修理」とはどんなものなのか。近年発売された「PS3」ではまず起こらなくなったが、2006年に新発売された初期のものに、プレイ中に突然電源が落ちてしまう、という不具合がユーザーから報告された。ユーザーは「PS3」内部の基盤部品を接着しているハンダが剥がれて(ハンダクラック)しまったためだと勝手に判断し、ドライヤーやヒートガンを使って「PS3」内に熱風を送り込み、ハンダを溶かして元に戻そうとした。
事実かどうかはわからないがこの方法で「回復」し、短期間なら通常通り遊べるようになった、という多くの報告がネットに出た。
なぜこんな手段を取ったかといえば、修理に出せば基盤が総取替えとなる可能性が高く、費用が1万5千円前後かかるうえ、これまで収集してきたゲームデータが全て無くなってしまう。そのため、ドライヤーで熱し僅かな時間でも「PS3」を再稼動することができれば、保存データを別の「PS3」に移せるということらしい。
もちろんSCEはこうしたことは認めていないし、また、「回復」したのは本当にハンダの不具合が直ったためなのかどうかも分かっていない。