工場労働者も「海外転勤」の時代 川崎重工従業員がブラジル造船会社に

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中国、韓国が圧倒 しぼむ日本の造船業

   一方、日本の造船業は縮小傾向にある。世界の造船需要は2008年のリーマン・ショック以降に縮小しており、少ない需要を中国と韓国、それに日本が奪い合っている。中国や韓国の造船会社との競争が激しくなり受注が激減。加えて、海運不況で船の価格が下落した。そこに1ドル75円~80円という「超円高」が、日本勢をますます劣勢に追い込んだ。

   日本造船工業会によると、2011年の世界シェア(国別受注量)は中国が約1911万トン(33.6%)、韓国が約2513万トン(44.2%)、日本は約769万トン(13.5%)と、中国に約2.5倍、韓国には3倍超の差をつけられた。

   川崎重工も例外ではない。同社の2011年の国内建造量は約84万トン。ピークの06年(約114万トン)から3割弱も縮小した。造船部門の13年3月期の営業損益は20億円の赤字(前期は39億円の黒字)に転落する見通しで、収益改善に向けて抜本的なテコ入れ策を加速させる必要が出てきたわけだ。

   坂出工場は配置転換の対象となる180人のうち、100人をブラジルに、80人は2013年度内にタービン機器や航空機向け部品などを生産する神戸工場や名古屋工場などに移す。今後は付加価値の高い液化天然ガス(LNG)船の建造に特化する。

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