かつて中米メキシコやグアテマラ一帯に栄えたマヤ文明の暦から、「2012年12月21日、世界は終わりの日を迎える」という噂がささやかれてきたが、ついにその日を迎えた。
今のところ世界に滅亡の兆候はなく、噂を信じている人はほどんどいない。ただ、ネタツイートが多く投稿されたり、「名古屋へ逃げろ!」という謎の情報が話題になったりと、人々は楽しみながらも「終末説」に踊らされている。
「社畜の皆さんは仕事中に滅亡を迎えます」
「終末説」のもとになったのは、マヤの暦のひとつ「長期暦」というものだ。紀元前3114年に初年の基準の日が設定され、以後5125年を1サイクルと数える暦で、12年12月21日がちょうどサイクルが完結する日にあたる。もちろん根拠のない終末説なのだが、ロシアや中国では本気で終末を信じ、日用品の買い占めが起きているという報道もあった。
そしてついに迎えたこの日。日本のツイッターでは15時現在「滅亡」「マヤ」「日本時間」「終末」と、終末説にちなんだワードが4つトレンド入りしている。世界中のトレンドを見ても、英語とスペイン語の終末説にちなんだハッシュタグが入っている。
ツイートを見てみると、「さて、何人もの勇者が人類滅亡を食い止めてるようだし…そろそろ加勢してくるか…」「マヤ『終末と週末間違えてた…』」「『マヤでーす』『ハレーでーす』『ノストラダムスでございまーす』パシーン(メッツボー三匹)」など、さながら「ネタツイート合戦」のようになっている。中でも「12/21に地球が滅ぶと言われて居ますが、マヤ文明があった現在のメキシコ山岳部は日本との時差16時間。なので地球の滅亡が始まるのは日本時間 2012/12/21 16:00からです。社畜の皆さんは仕事中に滅亡を迎える事になります」というツイートは8000回以上もリツイートされている。
事情通「コノ世界デ、名古屋ダケガ安全ダ」
12月19、20日にかけて雑誌「週刊大衆」のオンライン版「デジタル大衆」に掲載された、「12・21名古屋へ逃げろ」という記事も話題だ。
それによると、「世界中に600万人の会員を持つ某巨大組織」の事情通、「ハワイ在住の日系アメリカ人・X氏」という人物が「12月21日ハ名古屋ニ逃ゲロ、トイウノガ我々ノ共通認識ダ。私モコレカラ名古屋ニ移住スル。コノ世界デ、名古屋ダケガ安全ダ」と話したという。理由として「プリンセス天功こと2代目・引田天功さんのマネジメント事務所が名古屋にあり、『聖域』となっている」「名古屋ドーム3個半分の名古屋駅の地下街がシェルターとなり、人々が逃げ込める」「八丁味噌で免疫力が付く」の3つが挙げられている。
なんとも胡散臭い記事に、インターネット上では「よし、名古屋へ避難しようw」「私は生き残ります(名古屋在住」「世界中に600万人の会員を持つ某巨大組織 愛知県観光協会か」「名古屋のステマだろwww」など、突っ込む人やわざと釣られている人が多く見られる。
なお、「滅亡が始まる」と言われた16時現在、やはり世界に変化は見られていない。