現在では、インターネットを使った選挙運動――ホームページ、ブログ、ツイッター、フェイスブックなどを使った選挙運動が可能となっている。電子メールを使っての選挙運動もできるようになった。
しかし、2013年4月19日、インターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律が成立するまで、日本では、選挙期間中のインターネットを利用した選挙運動は禁じられていた。法案成立直前の2012年の総選挙では、一部の候補者が、フライング気味にツイッターなどを使うなど、問題になるケースが多数あった。J-CASTニュースでは、そうした「解禁前夜」の混沌とした選挙運動の実例を、他のメディアより素早く取り上げ、連載記事として報告した。
「ネット解禁」で選挙はどう変わる?
本書『【拡散希望】ネット総選挙「解禁なう」』は、J-CASTニュースでの連載「Net@総選挙」を元に、加筆修正の上電子書籍化したものだ。当時、J-CASTニュースでは、動画コンテンツUSTREAM(ユーストリーム)、ニコニコ生放送で配信中の読書情報番組「J-CAST THE FRIDAY」でも「ネット選挙」を取り上げている。
ネット選挙が政治・社会のあり方を変え、新しい日本を作る起爆剤になる...そう期待する人が多かった中、総選挙での日本維新の会代表代行の橋下徹・大阪市長による選挙期間中のTwitter(ツイッター)更新や、俳優の山本太郎さんによる「滑り込み」ツイートが物議をかもしたほか、各党による積極的なネット広告の出稿も話題となるなど、「ネット」と選挙をめぐる議論が活発に行われた。
足踏みしつつも、ネット選挙解禁に向かう当時の動きを電子書籍にてお伝えする。
目次
はじめに
「ネット解禁」の法案、また見送り 選挙はどう変わるはずだったか
公選法に「確信犯」で挑む 「恐れるな」「罪に問われることはない」
「いま500票差です。逆転させてください」 投票日の夕方、ツイッターで「最後のお願い」
みんなが違反者? 市民が勝手にツイッター、動画サイトに「街頭演説」や「政見放送」も
維新が圧倒的に有利、自民追う、民主は出遅れ――選挙戦「ネット利用」を情勢調査
「党首SNS」は安倍総裁が断然リード 福島瑞穂氏、あわや公選法違反
ソーシャルの危うい「草の根」 ネット世論踊らすのは誰だ?
だからオバマが勝った 史上空前のネット選挙、米大統領選の舞台裏
高まるうねり「次こそ解禁だ」 「新ビジネス」も生まれるか
ネット解禁で若者は投票に行くのか 日本の政治、近未来を探る