対中投資の減少は「一時的なこと」?
日本貿易振興機構(JETRO)がアジア・オセアニア地域に進出している8106社の日系企業を対象に行った実態調査(10~11月実施、3819社が回答)によると、今後1~2年に中国で「事業を拡大する」と回答した企業は、52.3%。前年の調査に比べて14.5ポイント少ないことがわかった。2002年の調査開始以来、50%台に落ち込んだのは初めてだ。
業種別にみると、反日デモで店舗が破壊されたり不買運動の影響を受けたりした卸売・小売業が前年に比べて20ポイント以上も低下。自動車など輸送機械も10ポイント以上低下した。日中関係の悪化を受けて、新規投資に慎重な姿勢がみてとれる。
一方で、中国での事業を「縮小・撤退」すると答えた企業は、前年比で1.4ポイント増えたが、5.8%にとどまった。
こうした結果に、JETRO海外調査部の日向裕弥・中国北アジア課長代理は「企業の多くは事業を拡大しないまでも、現状維持と答えています。中国市場はなお魅力的で、ここであきらめずにやっていこうという企業は少なくありません」と分析している。
対中直接投資の減少を、「一時的なこと」と見る向きは少なくないようだ。