週明けにも開かれる臨時国会で第96代首相に選出される見通しの自民党の安倍晋三総裁は2012年12月17日の記者会見で、改めて持論の憲法改正への意欲を示した。今回の衆院選で当選した人の7割以上が憲法9条の改正に前向きだ。だが、参院での自民党は過半数も獲得できておらず「ねじれ国会」が続く見通し。改憲が現実化するかどうかは、13年夏の参院選にかかっている。
衆院選で当選した人の7割以上が「9条改正」賛成
憲法96条では、憲法改正の発議には衆参両院の総議員の3分の2の賛成必要だと定めている。安倍氏は、まずはこの条項の「3分の2」を「過半数」に緩和したい考えだ。
安倍氏は、日本維新の会や、みんなの党について、
「この96条ということについては、一致できるのではないか」
と協力を呼びかけ、日本維新の会の松井一郎幹事長も、
「安倍総裁が、そういう形でされるなら、そこの部分は賛成、まさに、是々非々の『是』の部分」
と応じた。
衆院全議席の3分の2は320議席なので、衆院だけでみれば、容易に条件をクリアしている、ということになる。
安倍氏は、まずは96条改正を目指すが、その先には当然9条改正を視野に入れている。9条改正については、衆院では実は大半の当選者が前向きだ。共同通信社が立候補者アンケートの結果を再集計したところ、回答を寄せていた当選者454人のうち、75.6%にあたる343人が憲法9条の改正に賛成している。毎日新聞も同様の調査を行っており、やはり342人が賛成している。