感染性胃腸炎のノロウイルスが猛威をふるい、大阪の病院では2人の死者が、広島市では弁当を食べた1381人が集団感染するなど史上最悪になりつつある。感染すると激しい下痢と嘔吐を伴い悶えるほどの苦しさだというが、感染の疑いがある人は「病院に行ってはいけない」のだそうだ。
それは、感染力が強力なためと、ノロウイルスと診断されたところで特効薬などは無く、結局は自宅のトイレで耐えるしかないからだそうだ。果たして本当なのだろうか。
ノロと診断されること自体にも意味は無い?
フジテレビの朝のワイドショー「とくダネ!」では2012年12月18日にノロウイルスにかかったらどうすればいいか、の特集を組んだ。厚生労働省の調査では感染が確認されたのは12月11日現在で2467人と史上2番目の最悪に近い数字で、これからますます増えていくと予想した。
予防するには石鹸を付け流水でよく手を洗うことと、食器は塩素系漂白剤で消毒するか、85度以上のお湯で1分以上の加熱が必要。ただし感染力が強いため、例えば、ノロウイルスにかかった人の後にトイレを利用するのも危険だと説明した。
番組コメンテーターで産婦人科医の宋美玄さん(36)は、1週間前にノロウイルスにかかり、その辛さを「つわりの再来」「おむつが必要なほど」と表現した。ノロウイルスには抗生物質も下痢止めも効かず、特に下痢止めを使ってしまうとウイルスの排出を妨げる。特効薬などは無いため、イオン飲料と糖分を摂取し、ひたすらトイレで耐えるしかなかった、という。そしてこう語った。
「時々、ノロウイルスかどうか診断してもらって来い、という学校や職場があるけれども意味が無い。ノロと診断されること自体にも意味は無く、病院に行くのはやめたほうがいい」
つまり、ノロウイルスだった場合は、病院に来ている人は弱っているため感染しやすく迷惑。通院すること自体も辛いし、お金もかかる。特効薬もないわけだから自宅で耐えるしかなく、症状が酷かったり、ぐったりした場合を除いての通院は無意味だというのだ。番組全体でも、病院に行ってもしょうがない、という論調だった。