「我々が望んでいることは人民元とウォンが正当に評価されることで、単に円安が進めばよいというわけではない」
東芝の佐々木則夫社長は2012年12月13日、東京都内で開いたメデイアとの年末懇談会でこう強調した。円の対ドル為替相場はこのところ円安に振れ株式市場でも輸出銘柄が人気を呼んでいる。しかし佐々木社長は「大局的に見れば円安は必ずしも歓迎できるわけではない」と指摘した。
インフレターゲットに対する見方もその延長線上にあり「インフレをあおるのも良いがあくまで円が国際的に信任されていることが前提」と強調した。佐々木社長によれば「せいぜい1ドル=90円がいいところでそれ以上の円安は日本に対する不信だ」と行き過ぎの円安を戒めた。