2012年12月7日にマグニチュード7.4、最大震度5弱の東北地震が発生して以来、「地震予知」「予報」がまたぞろ話題になっている。
そんな中、「12月29日に琵琶湖周辺でマグニチュード7.8の直下型地震が起こる可能性がある」と予測する研究家が現れた。琵琶湖の隣には大飯原発やもんじゅなど原子力発電所が立地していることもあり、不安の声が上がっている。
「こんなに長期間の異変は初めて」
2012年12月14日発売の写真週刊誌「FRIDAY」に、FMラジオ電波を使って地震予測をしている串田嘉男氏(55)のインタビューが掲載されている。串田氏によると、「早ければ12月29日に琵琶湖の周辺を中心とした近畿地方で、M7.8~7.9レベルの巨大地震が起こる可能性がある」という。
12年11月に発行された串田氏の著書「地震予報」(PHP新書)によると、「FM電波予測」とは、普段は届かない他地域などのFM放送局の電波が、地震の発生前に震源の上空で散乱し、受信強度に変化が現れることで地震が予測できるという仕組みらしい。
この予測では、複数のFM放送局からの電波をとらえた場合、それぞれのFM局を中心にドーナツ状の円を描いて重複した部分が「予測震央域」となる。また受信強度が変化している時間、変化の大きさで規模が把握できるという。変化が現れ始め、受信強度が最大になり、変化が終息してから地震が発生するまでの期間に一定の法則があることから発生時期を推測できる。場所、規模、時期の3つが予測可能というのだ。
FRIDAYの記事では、現在FM電波の異変が4年5か月も継続して見られており、こんなに長期間の異変は初めてと書かれている。長期間の異変の後は、地盤がひずむ速度が遅い地域に震源があるという法則がある。これとFM放送局を中心としたドーナツ円の重複とを照らし合わせると、ちょうど琵琶湖周辺が残る。規模については、串田氏が導き出した計算式に、異変が継続した時間を当てはめると、マグニチュード7.8前後になるという。
3.11予報できず「顔をあげて人前に出られなかった」
今回長らく続いている電波の異変では受信強度が変化し始め、最大になり、静穏化し、また最大になるという周期を繰り返しているという。現在その異変が「第4ステージ」を迎えており、串田氏は地震発生日を12月29日前後と導き出した。しかしその頃に再び受信強度が変化すれば、地震は先延ばしになる。それで「早ければ」12月29日に、という予測になっているのだ。
串田氏は11年3月11日の東北地震を予報できなかった。これは今も起こっている長期間の異変と東北地震の前兆の異変を混同してしまったためといい、著書で「取り返しがつかない人生最大の失敗」「しばらく顔をあげて人前に出ることもできなかった」と振り返っている。
しかしそれ以降の大きな余震において、串田氏の予報は6回的中している、という。例えば4月7日に発生したマグニチュード7.2の宮城県沖の地震では、4月6日前後、マグニチュード7.0前後、宮城県沖~岩手県沖が震央域。4月21日に発生したマグニチュード6.0の千葉県東方沖の地震では、4月21日前後、マグニチュード5.9前後、千葉県沖~茨城県沖が震央域と予報しており、ほぼパーフェクトと言える。
もし今回の予測が当たった場合、琵琶湖近くには敦賀原発や大飯原発、高速増殖炉もんじゅなど5か所の原子力発電所があり、万が一が心配だ。帰省ラッシュと重なれば交通事故なども予想できる。
インターネット上では、「バリ怖いやん もぉ時間ないやん」「そんなん起こったら、家崩壊してしまう」「大飯だけじゃなくて福井の原発銀座もやばそうで怖くなった…」など、「不安だ」という書き込みが多く見られる。
一方「なんで大地震の起きる日付が判るんだよww?未来人かよww」「3.11を予測できなかった時点で俺はこの人を信じてない」とはなから信じていない人もいる。