きのう(12月7日)夕方、5時18分ごろ。静かに揺れが始まった。夫婦で茶の間にいた。だんだん揺れが大きくなる。カミサンがそばの石油ストーブを消す。 似ている、3・11の揺れに――そう思った瞬間、揺れが最大になった。玄関の戸を開ける。そのまま揺れ続ける家の様子をうかがう。さいわい倒れるものはなかった。
揺れが収まったあと、NHKのテレビを見る(=写真)。宮城県に津波警報、それ以外の太平洋沿岸に津波注意報が発令された。画面には赤い字で「津波!避難!」の文字が表示されている。
3・11を教訓に、呼びかける内容と口調も変わっていた。「東日本大震災を思い出してください」「命を守るために急いで高台に逃げてください」「今すぐ逃げてください」。叫びに近い、切迫感のある呼びかけだった。
いわきに住む人間(ばかりではないだろうが)は、大きな余震がくると、事故を起こした福島第一原発が気になる。津波が来るとなると、なおさらだ。「これまでのところ異常は報告されていない」というアナウンスがあっても、どこかで不安をぬぐいきれないでいる。ふだんでも100%安心できていないのだから当然だろう。
ところで、福島県の最大震度は4だった。震源地は三陸沖。青森、岩手、宮城県は最大5弱、栃木、茨城県もそうだった。なぜ福島は4なのか。
いわきでは、体感は5弱に近かった。カミサンは石油ストーブを消したあと、風呂に水があることを確かめ、すぐご飯を炊いた。心の底の底には3・11の不安と恐怖がわだかまっている。私もすぐ、車のガソリンのことが頭に浮かんだ。
(タカじい)
タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
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