震災後初のピアノ発表会を支援【岩手・陸前高田発】

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真剣に演奏する生徒を、家族や地域の人々があたたかく見守ります(2012年10月7日)
真剣に演奏する生徒を、家族や地域の人々があたたかく見守ります(2012年10月7日)

   AAR Japan[難民を助ける会]は、姉妹団体の社会福祉法人さぽうと21と協力し、岩手県陸前高田市にある「田村尚子ピアノ教室」の震災後初の発表会を支援しました。

今こそ子どもが感情を自由に表現できる場所を

   田村尚子ピアノ教室は、陸前高田市内で一番多くの生徒が通うピアノ教室でした。ところが、東日本大震災により、ピアノ教室も田村先生のご自宅も全壊。4名の生徒が津波の犠牲になりました。震災後しばらくは町中の人が生きることに必死で、教室再開どころではなかったそうです。しかし、次第に保護者や生徒から強い要望が上がり、震災から半年後の2011年9月、津波を免れた生徒の自宅を教室として、第一歩を踏み出しました。その後、コンテナハウスでできた仮設商店街の一角をピアノ教室に使用できることになり、さぽうと21の支援でピアノも寄贈されることになりました。


   町の人々の中には、「生活再建の兆しも見えないのに、子どものお稽古ごとのために仮設を利用するのか。暮らしや商売が先ではないのか」と批判する声もありました。けれども田村先生は、「震災後の今こそ、子どもたちが感情を自由に表現できる場所が必要なのだ」という考えでした。一つのことに集中できず突然奇声を上げたり、過剰なほどスキンシップを求めたり、皮膚炎を発症するなど、震災後に生徒たちの様子が変わってしまったことを、田村先生は大変心配していました。しかし、教室が仮設商店街で本格的に再開すると、生徒たちのピアノに対する集中力がグンと上がり、先生が求めた以上のページまで練習してくる生徒も出てきたそうです。

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