違いは、「自分の意見をぶつけ合うかどうか」
――スイスの高校では、選挙以外の事柄についても、色々議論したりするのでしょうか?
春香 日本と海外の違いは、「自分の意見をぶつけ合うかどうか」だと思います。日本は「一体感」を重視するのに比べて、海外ではお互いの意見がぶつかって強い意見が通る、といったところがある。日本に来ると、話題になるのは例えば「髪を切った」といった、ふわっとした、争いようのないことばかりです。適当に話を合わせればいい。それに対して「未来のこと」は、重みが違います。それを日本の高校生は話そうとしない。
仮に考えがあったとしても、人と意見交換しないと、その考えは育たないのではないでしょうか。そういうこともあって、20代が議論をする機会は少ないと思います。いきなり「1票を入れろ」と言っても難しい。「適当に入れよう」ということはできるかも知れないですが、考えを深めた上で投票するのは難しい。