「何も変わらない」――アンケートから浮かんだ  政治に興味失う若者の「無力感」

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   若者の投票率が低い。明るい選挙推進委員会のデータによると、20代の若者の投票率はここ2回の衆院選であがってはいるものの、2009年の第45回衆院選では49%と、平均(69%)と比べて20%も低い。そのうえ、60代が80%を超えていたことを見れば、その落差は深刻だ。

   なぜ若者は投票に行かないのか。一つには、政治に興味がないためと考えられる。J-CASTニュースでは、その理由を、読者を対象にアンケートした。その結果からは、「何も変わらない」という無力感が浮き彫りになった。

負のスパイラルが若者たちの間でおこっている?

   J-CASTニュースは、2012年12月11日から14日までの期間、全年齢の読者を対象に「1クリック投票」アンケートをおこない、若者が政治に関心が持てない理由をさぐった。

   総投票数2698のうち、3番目に多かったのは、「若者に関係のある政治が提示されないから」で、割合は15.2%だった。2番目は、「不勉強だから」で17.6%。そして、圧倒的に多かったのは、「関心をもったところで何も変わらないから」の45.1%だった。

   「関心をもったところで何も変わらない」という諦めから、政治について不勉強になる。そのためどこに投票していいのか分からず、投票に行かなくなり、投票率が下がる。その結果、政党のほうでも選挙対策とならないので、若者向けの政策を提示しない。自分に関係する公約のない選挙に、「何も変わらない」という思いが加速する―。こんな負のスパイラルが若者たちの間でおこっているのかもしれない。

   そのうえ、この、「政治参加しても何も変わらない」という無力感は、若者だけでなく全年齢に共通しているようだ。J-CASTニュースが別におこなった1クリック投票「衆院選『投票行かない理由』は?」(総投票数1939)でも、「入れたい政党(候補者)がない」(40.2%)についで、「投票しても何も変わらない」(30.7%)があがっていた。

「何も変わらない」という「絶望」は、思い込み?

グラフ1(データ引用元:明るい選挙委員会第45回衆院選年齢別投票率、総務省平成22年度国勢調査)
グラフ1(データ引用元:明るい選挙委員会第45回衆院選年齢別投票率、総務省平成22年度国勢調査)

   この無力感の理由として、公約を実行しない政治家への不信にくわえ、とりわけ最近では「投票の世代間格差」が指摘されている。高齢者層(65歳~)にくらべて若年層(~34歳)の人口が少ないため、投票に行ったところで意見が反映されにくいという理屈だ。

   ただ、仮に、若年層と、子育て世代で比較的利害の一致しやすいと考えられる35歳から49歳までの投票率が60代並の約80%にあがった場合(グラフ1)を考えてみる。この場合、投票全体における若年層の占める割合は21.5%に上昇し、35歳~49歳(25.9%)と合計すると、47.4%と半数に近づく。

   「何も変わらない」という「絶望」は、思い込みなのかもしれない。タレントの乙武洋匡さんも、「選挙に行かない君へ」と題したブログでこうつづっている。

「若者にも政治に関心があること、若者も票を持ってることを、今回の選挙で少しでも見せてや ろうぜ。そうしたら、少しずつ、政治家の目もこちらに向いてくる。若者にも目線を向けた政策を考えてくれるようになる。その次の選挙で、僕らはそうした候補に票を入れていく。そして、またその次の選挙で――。
すぐには、むずかしいと思う。でもさ、オレはあきらめたくない。だってさ、オレたちの国じゃん。無関心じゃいられないよ。「どうせ変わらないから、指くわえて見てろ」だって? 俺にはくわえる指もないからさ、こうやってあがいて、さけんで、勉強していくよ」
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