自衛隊、中国領空侵犯探知なぜできぬ 「レーダー死角」解消策は2年前から「検討」

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1976年には「レーダーの死角」原因でソ連の軍人が亡命

   日本最西端の固定レーダーは宮古島に設置されているが、尖閣諸島からは210キロメートルも離れている。地球は丸い上にレーダーの電波は直進性があるため、低い高度で飛行機が侵入して来た場合、レーダーからすれば水平線の下に潜り込む形で「死角」となってしまう。これが、藤村氏の言う「探知の困難さ」だ。

   実は、同様の問題は、冷戦期の1976年にソ連(当時)のミグ25型戦闘機が函館空港に強行着陸した「ベレンコ中尉亡命事件」でも指摘されており、この事件をきっかけに導入されたのがE2Cだ。E2Cは、超低空を飛ぶ飛行機でも、数百キロ離れた上空から探知できるとされる。

   2010年には、航空自衛隊三沢基地(青森県)に配備しているE2Cの一部を空自那覇基地(那覇市)で展開させる方針が固まっており、当時の新聞も、

「警戒機展開、南西諸島も 防衛省検討、レーダー死角補う」(10年10月6日、朝日新聞)

などと報じていた。

   だが、この時の方針から有効な対策を打つことができないまま、領空侵犯を許してしまった形だ。

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