安倍政権だと「学校の夏休み20日に減る」? 「絶対いやー!」ツイッターで学生にデマ拡散

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   安倍晋三総裁率いる自民党が政権を取ると、「夏休みが20日になってしまう」――こんなうわさがツイッターをかけめぐっている。

   ところが、自民党2012年衆院選の公約のどこにもそんなことは書いてない。総裁がいった形跡もなく、デマのようだ。ネットでは、「こんなデマにひっかかってしまう子たちがあと何年かしたら投票できるんだよね」といった心配や、「ガキは勉強してろ」など、さまざまな反応が出た。

「さいあくすぎ(笑)」「安倍さん爆発しろ」

   「安倍晋三さんが選挙で勝ち上がったら夏休み20日しかなくなるぞ!土曜日も普通に学校や!いくらゆとり多いからと言って35度とかある中普通に勉強できるか!!! みんなで食い止めようぜ!と言っても私たち無理だから投票権持ってる人お願いします全力でw 拡散希望!」――2012年12月10日、女子高生とみられるツイッターユーザーがこんな投稿をした。

   これが中高生らのあいだでまたたくまに拡散、

「ふざけるな~。学生に厳しくしてもいい日本にはならないよ。あなたたちのような大人を見てるんだから」
「絶対いやー!」
「さいあくすぎ(笑)」
「安倍さん爆発しろ」

などと怒りのコメントが相次いだ。

   ところが、自民党の公約を見てみると、高校までの教育に関わるものは6・3・3・4制の見直しや教科書検定基準の変更などがあるが、授業日数について言及した箇所は一つもなかった。安倍総裁個人の公約についても同様で、どうやら、「夏休みが20日になる」というのは「デマ」だったらしい。

「選挙権を持つ大人になると夏休みなくなるよ。HAHAHA」

   このデマの拡散ぶりを見たネットユーザーらの反応は、「この子たちもあと何年かしたら投票できるんだよね」と心配するものや、こんなデマに引っかかるようなら「休まず勉強しとけ」といった手厳しいものが大方だった。

「知るかよ。大人はそれどころじゃねーから」
「『そんなデマに踊らされる情弱ゆとり野郎は夏休み10日でも多すぎるわ!垢(編注:アカウント)消して勉強してろクソが!』としか思わない 」

   このほか、休みが20日に「減る」とはなんとも贅沢な悩みだという社会人の嘆き節も広がった。

「社会人になれば夏休み20日も貰えるんですか?ヤッター!になるんですがね・・・」
「選挙権を持つ大人になると夏休みなくなるよ。HAHAHA」
「まぁ本当に20日も夏休み頂けるんなら、この先ずっと自民入れますけど」

自民党支持者は怒り心頭

   ただ、自民党支持者は怒り心頭だ。こんな書き込みは公職選挙法違反だとして、「警察に通報しよう!」と呼びかけている人もいる。

   それにしてもいったいなぜこんなデマが出てきて、しかも拡散してしまったのか。一つには、安倍総裁は以前から「教育」に力を入れていて、2006年の自民党総裁選に出馬した際には、「授業時数の増加」を公約にもりこんでいた。さらに、2007年、安倍内閣(当時)の肝いりで組織された教育再生会議は、6月1日の取りまとめ第二次報告に「必要に応じ土曜日の授業も可能とする」「夏休み等の長期休業日の活用」と記載していた。こうしたことから、今回のデマがある程度の信憑性をもち、休みが減るのを嫌がる子どもたちの心理に乗って、拡散してしまったのかもしれない。なお、安倍総裁は2012年の総裁選、衆院選ともに公約で授業時数に触れていない。

   また、一部では、

「子供を媒体にデマを流そうと思ったのか」
「工作員に予算降りてるんだろうね」

といった「陰謀論」も飛び出していた。

姉妹サイト