「忘れていた」銘柄も復調気配
一方で、新興市場を押し上げているのは「忘れられていた銘柄」が買われているケースもある。
たとえば、ジャスダックに上場する、かつて日本語ワープロソフトの「一太郎」で一世を風靡したジャストシステムだ。Windowsの普及を背景にマイクロソフトにシェアを奪われたことで、すっかり「赤字経営」のイメージがついてしまったが、営業利益24億円(12年3月期)は「ソフト会社としてはかなりいい」と、前出の船山氏は指摘する。さらに同社は2012年12月4日に、電子書籍の制作機能を強化した「一太郎」の最新版を13年2月に発売すると発表。個人の自費出版の需要が増えることに着目したソフトだが、「最近の電子書籍というトレンドをうまくつかまえた」とみている。
船山氏は、「こうした新旧の銘柄が入り混じって、物色の対象となっていることもここ3か月くらいの新興市場の活況を支えている要因です」と話している。