京都府舞鶴市で2008年5月、高校1年生の小杉美穂さん（当時15）を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職・中勝美被告（64）の控訴審判決で、大阪高裁の川合昌幸裁判長は12年12月12日、無期懲役とした1審・京都地裁判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。
凶器などの物証がないが、1審では「事件直前、被告と女子高生が一緒にいたとする目撃者2人の証言は信用できる」「捜査段階で被告が公表されていない遺留品の特徴を供述した」などから中被告を犯人と断定。「犯行は偶発的な面がある」として死刑は回避し、無期懲役を言い渡した。被告側は無罪を主張、検察側は死刑を求め控訴していた。
事件は08年5月6日の夜、小杉さんが自宅を出たまま行方不明となり、8日朝に舞鶴市の朝来川岸で遺体が発見された。1審判決では中被告がわいせつしようとして抵抗され、小杉さんの頭や顔などを鈍器で殴打するなどして殺害したとされた。