電力業界を擁護し、放射線の危険性を強調しないとして、一部から「御用学者」と批判されている人の動向をまとめたサイトが閉鎖されることになった。
だが、閉鎖の発表が余りにも急で、理由も説明されなかったため、「身元がばれるのを恐れたのではないか」などと、さまざまな憶測が広がっている。
閉鎖が発表されたのは、「原発業界御用学者リスト」と題したサイト。サイトは2012年4月下旬に開設されたとみられ、その趣旨は
「これまで御用学者は 『専門家が言うことだから素人は黙って聞きなさい』 という目線のものが多かった。 しかし今後、そうした意見に対しては、だからこそ一層疑惑の目を向ける必要がある」
などと説明されている。
山下俊一氏などがやり玉に上がる
福島県立医科大学副学長の山下俊一氏をはじめとする、「御用学者」とみなされた人について扱った記事の一覧や、2ちゃんねるのスレッドで議論された内容が、細かくまとめられている。
御用「学者」以外にも、「原発関連御用文化人リスト」「(御用に加担)無知っぽい学者・文化人」「反原発学者リスト」といったコーナーがあり、反原発の立場からまとめられたポータルサイトの役割を果たしているとも言える。「原発関連御用学者リスト(医学関係)」というコーナーだけでも50人以上の名前が掲載されており、情報量も相当なものだ。
根強い「レッテル貼り」批判
ところが、サイト運営者は12年12月8日朝、ツイッターで突然
「【業務連絡】 御用学者リストWikiは2012年12月11日をもって閉鎖します」
と宣言。理由は明らかにされないままで、さまざまな憶測が広がっている。
例えば、ツイッター上では、
「身バレ(編注: 作者の身元がばれる)を怖れた」
「逃走宣言」
といった声があがっている。
サイトが「レッテル貼り」だとする批判も根強く、
「負の遺産として、きちんとした検証が必要ですね」
という声も出ている。
ただし、批判ばかりだという訳でもなく、
「結構良い情報源だったのに。もったいない」
「信頼できる人の貴重なリストで、便利だと思ったのだが」
と、一部には閉鎖を惜しむ声もある。