「行き過ぎた表現だった。深く後悔しています」 「忌々しいアメリカ人殺せ」のPSY謝罪

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   「江南スタイル」などで知られる韓国の人気ラッパーPSY(サイ、35)さんが、過去に歌った反米ソングの内容について謝罪した。

   この曲は「くそいまいましいアメリカ人を殺してください」などという過激な歌詞のものだった。米国では謝罪の後もPSYさんを非難する声は止まないが、意外にも擁護する意見もあり、論争となっている。

大統領夫妻が出席するライブ「クリスマス・イン・ワシントン」に出演予定だった

   PSYさんの反米ソングが話題になったきっかけは2012年10月6日、米CNNの市民記者サイト「CNN iReport」に掲載された「PSYは過激な反米主義者だ」という記事だ。この記事でPSYさんが04年に歌った「Dear America」という曲の「イラクの捕虜を拷問していた、くそいまいましいヤンキーを殺してください。拷問せよと命令した、くそいまいましいヤンキーを殺してください。奴らの母、父、妻、息子を殺してください。痛く、そしてゆっくり、彼ら全員を殺してください」という歌詞が紹介された。02年に韓国で女子中学生2人が米軍の装甲車にひき殺された事件に対する怒りをぶつけた歌らしい。筆者は「こんなPSYがアメリカのポップカルチャーの中で活躍していることが信じられない」と書いている。

   CNNによると、PSYさんはバラク・オバマ大統領とミシェル・オバマ夫人が出席する特別ライブ「クリスマス・イン・ワシントン」(12年12月21日開催)に出演予定だが、出演をやめさせてほしいという嘆願もホワイトハウスに寄せられたという。こうした批判を受け、PSYさんは12月8日、韓国マスコミを通じて正式に謝罪コメントを発表した。

「8年前に僕が歌った曲は、世界中の人々が当時共感していた反戦デモの一部として、イラク戦争の当時に捕虜として犠牲になった一般市民、装甲車の事件で死亡した韓国人女学生2人への深い哀悼を示したものです。僕は個人の表現の自由にも感謝していますが、適切な言葉には制限があること、また、歌の歌詞がどのように解釈されるかということを学びました。僕が使用した行き過ぎた表現により、多くの人が傷ついたことについて申し訳なく思っています」
「僕たちの意見を表現することも重要ですが、意見を表現するために使用した言葉が不適切だったことについて深く後悔しています。僕は自分の音楽を通して、人々に開放感と笑いを提供するために曲を作るように努めています。僕は世界の共通言語である音楽を通して、すべての人がひとつになることができることを知りました。僕の謝罪を受け入れてくださることを願います」

「PSYは戦争と拷問を批判しただけ」「擁護する人は人種差別支持だ」

   「CNN iReport」に掲載されたPSYさんの謝罪を紹介する記事には、12月10日4000件を超えるコメントが寄せられている。

「この曲を書いたのはPSYではなくN.EX.Tというバンドだ。PSYは謝罪したし、彼が批判したのは(アメリカではなく)イラク戦争とアブグレイブの拷問についてだ」
「もしアジア人がアメリカ人カップルを殺したら、我々はアジア人を飲食店から締め出したり、誘拐したり、差別したり、アジア人だからと言って攻撃したり、死ねと言ったりするだろうか?PSYを擁護する人は彼の人種差別の考えも支持している」

などPSYさんを擁護する意見、「擁護するのはおかしい」という意見が入り乱れている。

   朝鮮日報のサイトにもPSYさんの謝罪についての記事が掲載されたが、これに対しては「オバマ大統領とアメリカ人はPSYの気持ちをわかってくれるよ。PSYがんばれ!」「大統領が出席するライブの成功を信じる。PSYの経験が韓国の若者たちにとって貴重な教訓となれば」など、PSYさんへのエールのようなコメントが書き込まれている。

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